技術トピックス

宝石油機工の技術に関する様々なトピックス(話題)をご紹介いたします。

タールスラッジ再資源化技術の構築

宝石油機工社員が名古屋製鐵所様の発明改善2級の表彰を受けました。

平成25年3月12日、新日鐵住金(株)名古屋製鐵所様より「タールスラッジ再資源化技術の構築」の功労に対し、発明改善2級の表彰を受けました。基本特許が取れる特許性や他に類似事例がなかったこと、実現に至るまでの創意工夫や粘り強い努力が高く評価されました。
宝石油機工としては、平成23年度の「含油スカム・スラッジ燃料化技術の開発」案件に引き続き、2年度連続で発明改善2級の評価をいただきました。尚、平成24年度の新日鐵住金(株)名古屋製鐵所様における発明改善表彰は236件(年間)で、その内2級以上が4件。さらに、その中で協力会社として表彰されたのは、宝石油機工1件のみでした。今回の表彰を励みに、宝石油機工では循環型社会への貢献やオリジナリティあふれる技術革新を常に志し、これからもチャレンジを続けてまいります。

発明改善の対象は、コークス工場の化成工程から発生するタールスラッジの処理です。
コークス工場の化成工程から発生するタールスラッジなどは、従来までは一部を添加設備にてコークス炉に戻されていました。しかし、添加設備の能力には限界があり、また仮に添加設備の処理能力を向上させても、タールスラッジそのものの性状バラツキによりコークス品質(DI)が低下するという根本的な課題がありました。

そこで以下の改善を行い、タールスラッジに高い付加価値をつけ、再資源化技術の構築に成功しました。

  • タールスラッジを改質して流動性を高めることで燃料として使用可能にした
  • その燃料を使用することで石灰焼成設備での生産性を改善した
  • タールスラッジを改質し、活性炭の安価なバインダー代替としての活用を見出した

タールスラッジの改質を目的とした粉砕機のテスト過程は、以下のとおりです。

【発明改善の概要】

【目的】
タールスラッジの再資源化技術の構築
  • タールスラッジを改質して流動性を高める事により、燃料として使用可能とした。
  • 製鐵プロセス内で燃料として使用することで、C重油使用量を節約し、コスト改善に寄与した。
【機能・性能】
  • タールスラッジの改質
    • 高粘度のタールスラッジを加熱・撹拌することで流動性を高め、振動ミル(ロッドミル)を用いることで粒子を微細化・均質化し、流動性向上を図り重油相当の補助燃料として使用可能とした。
  • 再資源化(補助燃料・造粒材)としての活用
    • 改質したタールスラッジを用いて次の2つの活用を可能とした。
      • 生石灰焼成用ロータリーキルンの補助燃料
      • 活性炭製造用の造粒バインダー